世界保健機構(WHO)では、大気汚染を原因とする死者が
2012年に世界で推計700万人超だったとの報告を発表した。
この報告では、
「大気汚染が起因する死者は、エイズや糖尿病を上回る」
とされています。
「交通事故による死者」をも上回っている事も報告されています。
大気汚染によるって死に至る危険性のある影響に
理解が深まったことで、
WHOも統計値の修正を行ったようです。
日本で大気汚染が話題になっていたのは、
高度経済成長期以降、光化学スモックなどが有名ですね。
この時、喘息などの呼吸器系の病気が発症しやすくなりました。
大気汚染は先進国、途上国を問わず
「健康リスクで最も深刻な要因」(ネイラ公衆衛生・環境局長)
として警告されています。
そもそも、大気汚染及ぼす健康被害はどのようなものなのでしょう?
大気に含まれている汚染物質によって、
呼吸器系の病気のリスクは非常に高くなります。
心臓の病気のリスクや循環系疾患や脳卒中などのリスクも高めます。
そして何より、化学物質の影響などでがんのリスクが高まります。
肺がんだけでなく他の機関でのがんを引き起こす環境的要因であることもわかっています。
最近では、中国から飛来する大気汚染物質PM2.5が話題になっています。
このPM2.5とはいったいなんなのでしょう。
微小粒子状物質[PM2.5」は、
大気中に漂う物質で直径2.5μm(マイクロメートル)以下の小さな粒子の事です。
工場の排煙やディーゼル車の排ガスなどに含まれるススなどが主な成分です。
日本でも発生検出されていますが、明らかに健康被害があるであろう濃度には達していません。
しかし、最近経済成長著しい中国で、産業の発展などから大気汚染が問題化しています。
汚染した大気は、視界を悪くしてしまうほど酷いものになってきています。
これが、偏西風に乗って、日本へと飛来してきています。
黄砂は以前からこの偏西風に乗って日本に飛来していることが知られていましたが、
最近ではこの黄砂も汚染されていることが分かっています。
この汚染によって、花粉症の症状が悪化してしまったり、
喘息を発症してしまう人も増えてきているようです。
黄砂よりもより微細なPM2.5は、小さいがゆえに肺の奥深くまで侵入します。
そのため、呼吸器系の病気のリスクやがんの発症を高めてしまっています。
WHOの専門組織、国際がん研究機関IARCは、
PM2.5などの大気汚染物質による発がんリスクを5段階で表す危険度のレベルを最高レベルに分類しました。
つまり、最高に危険な物質ってことですよね。
自治体などで警報などの対策が行われてきてはいます。
個人としては、この警報が出ている時は外出を控えるなどして、なるべく吸い込まないようにしなくてはなりません。
空気清浄器なども、最近の物はPM2.5対策用の製品も増えているので、上手に利用していきたいですね。
外出しなければならない時は、マスクなどをつけて、吸い込む量を減らすようにしましょう。
しかし、個人ができる対策は限りがあります。
大気汚染に関して、中国を含め各国連携して対策に取り組んで行くことが、これから重要になるでしょう。
空気に国境など関係ないのですから、ぜひ早急に対策を行ってほしいものです。